口臭の種類を知れば対策もしやすくなります
ある調査では、30代~50代の方の9割以上が自分の口臭を気にしていて、同じく他人の口臭も気になっている、と答えています。
口臭をはじめ体臭は、「どのぐらい臭いのか」が自分ではわからないのが難しいところです。
また、臭いの感じ方には個人差もあります。
口臭はとてもデリケートな問題で、人に「臭いよ」とはなかなか言いにくいもの。
人が口に手をあてるのを見て「自分が臭いからなのでは」と疑心暗鬼になってしまう「自臭症」は、子供の頃に人から「臭い」と言われたことがきっかけになるケースもあるといいます。
もしかして口臭?と不安なままでは、人と話すときにも自信が持てませんよね。
口臭とはどんなものなのか、その種類や原因を知っておくことで、自分の臭いに気づいたとき落ち着いて的確に対処することが可能です。
口臭の3つのガス、3つの種類
時にキツく不快な臭いとなってしまう口臭の成分は20種類程度と言われていますが、なかでも特徴的なのが「揮発性硫黄化合物(VSC)」の臭いです。
卵の腐敗臭に似た硫化水素、生臭いメチルメルカプタン、生ごみのような臭いのジメルサルファイドの3つのガスによる混合臭であり、口中の細菌がタンパク質成分を分解する際に発生します。
口臭は大まかに3種類に分けられます。
1つめは誰にでもある「生理的口臭」です。
起きてすぐや食事の前、緊張したとき、どんな人でも口の中が渇き細菌が繁殖しやすくなって、VSCが増加します。
しかしこれは、歯磨きや食事、会話によって唾液量が増えれば自然に弱まる口臭なので、特に治療の必要はありません。
気になる方は、口が渇く前に水で湿らすようにするといいでしょう。
2つめは「飲食物・嗜好品による口臭」。
ニンニクやネギを食べたり、お酒を飲んだり喫煙したときの口臭です。
これも一時的なものなので心配なく、治療が必要なものではありません。
とはいえ口臭発生直後に会話をする相手は辛いですし、ヤニ臭さは口臭だけでなく洋服や部屋にもしみついてしまいます。
臭いの頻度・レベルによっては、しっかりと対策を考えたほうがいいですね。
3つめが「病気からくる口臭」であり、病気そのものの治療によって口臭も改善されていきます。
その9割は、歯周病や虫歯、歯垢や舌苔といった口腔内の疾患が原因です。
そのほか、副鼻腔炎など口に近い鼻やのどの病気、呼吸器系・消化器系疾患、糖尿病によって口臭が起こることがあります。
病院での受診で病気を特定することが重要ですが、大まかな判別法として、甘ったるい臭いや酸っぱい臭いは糖尿病の可能性が、腐卵臭では胃腸の疾患の可能性があります。
肝臓の病気では黴臭い口臭、腎臓の疾患ではアンモニア臭がすると言われ、口腔・鼻・喉の病気による口臭は、腐った肉に例えられます。
生活習慣の乱れやストレスによる口臭は、生理的口臭と病的口臭の混ざったもの、といえるかもしれません。
一時的な緊張・ストレスによる唾液不足であれば、唾液分泌を促進して解決できますが、ストレスが免疫力の低下や血糖値上昇を招いている場合には、病的な口臭となります。
根本的原因の解決と、口臭レベルの問題
3つの口臭の種類のうち病的口臭では、口臭を起こしている病気自体が問題であり、その治療を行うことが先決です。
それ以外の心理的口臭、飲食物・嗜好品による口臭は問題ないのかといえば、一概にそうとは言えません。
例えばVSCのひとつである硫化水素は、長時間暴露されれば吐き気や不眠、呼吸障害まで引き起こすガスです。
そんなガスを自分が発していたら・・・と思うと怖いですよね。
必要以上に口臭を気にし過ぎるのもよくありませんが、口臭が周囲に少なからずストレスを与えるものであることを理解し、その原因を取り除く努力はしておきたいものです。
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