胃の中から発生する口臭

体臭相談室

体の中から発生する口臭

口臭はスメルハラスメントとも言われるほど周りの人間に与える影響は大きいものです。
百年の恋も冷めるという人もいます。
この口臭、様々な原因が考えられますが、との関連性を指摘する人もいます。
胃の調子が悪くなると口臭が発生するというのです。
タバコやアルコール、虫歯、歯周病などに心当たりがないのに口臭が気になるという人は、もしかしたら胃を病んでいるのかもしれません。
胃と口臭の間にはどのような関連性があるのでしょうか。
なぜ胃が弱ると口臭が発生するのでしょうか。

原因はピロリ菌

ピロリ菌

胃炎などの胃の不調を抱えている人は、ピロリ菌に感染している確率が非常に高いというデータがあります。
ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリと言います。
この菌は、日本人の半数近くの人の胃の中に存在していると言われています。
胃の中は食べたものを溶かすために胃液というとても強力な酸に覆われています。
そのため、通常の菌は生息できないのですが、ピロリ菌は特殊な酵素によって胃酸を中和し、胃の中でも生息できるようになっています。
ピロリ菌の恐ろしいところは、口臭だけでなく胃がんや慢性胃炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍などの病気の原因にもなるところです。

なぜピロリ菌に感染すると口臭を発するの?

実写ピロリ菌

ピロリ菌は特殊な酵素で胃酸を中和していると言いましたが、この特殊な酵素というのがアンモニアなのです。
アンモニアの膜で自らの体を覆い、胃酸から身を守っているのです。
胃が弱ってピロリ菌が増殖すると、このアンモニアも当然増えます。
すると、胃の中のアンモニアが他の栄養と一緒に体内に取り込まれて血液中に溶け込みます。
それから、その血液が体中を循環して肺に流れ込みます。
そして、肺から息として体外に排出されてアンモニア臭のする口臭が発生するのです。

ピロリ菌が原因の口臭への対処法

お腹が痛む

ピロリ菌が原因で口臭がする場合は、ピロリ菌を胃の中から退治しなくては根本的な解決にはなりません。
実はピロリ菌を退治する方法があるのです。
その方法は薬を服用することです。
ピロリ菌の除去に効果的なのは、胃酸の分泌を抑えて抗生物質の効果を高める薬と様々な菌の発育を抑える薬、さらにピロリ菌に対しての抗菌作用を高める薬の3種類を服用する方法です。
これらの薬を朝夕の食後に1週間飲むことでピロリ菌を除去します。
これでうまくいかない場合は、薬の種類を変えてもう一度除去を試みます。
だいたいこれで80%はピロリ菌を除去できるようです。
ただ、この方法は下痢や腹痛、味覚障害などの副作用が出ることがあります。
もしも血便が出たり他の症状が現れたりした時は、医師に相談してください。

この方法でピロリ菌を除去すると、口臭が改善したという報告もあります。
ただ、口臭が改善しない場合もありますから、過度な期待はしない方がいいかもしれません。
とは言っても胃の不調は改善できますから、ピロリ菌の除去はやっておいた方がいいでしょう。
ちなみにピロリ菌の除去には保険適用外なら2~3万円、保険が適用されるなら5~6千円程度の費用がかかります。


他にも、胃が弱って消化不良を起こすと食べ物を消化しきれずに胃の中で発酵し、その腐ったニオイ物質が腸から吸収されて血液に入り込み、口臭の原因となることもあります。
どちらにしても胃の不調は口臭に大きな影響を与えると考えられています。
胃が弱くて口臭が気になる人は検査を受けてみるといいでしょう。
また、今は口臭が気にならないという人でも、症状が悪化すると口臭も発生してくることがあります。
早いうちに治しておいた方がいいでしょう。
こういった病的口臭の場合は原因を根本から治さないと改善されません。
口臭によって周りの人との人間関係を壊さないためにも、健康でいることが大切なのです。

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