その口臭、歯槽膿漏が原因かも
食後に歯磨きをすることは、誰でも子供のころから言われることです。
定期的に歯科健診を受けましょう、というアドバイスも聞いたことがあると思います。
では、これらの行動を、忘れずにしっかりと実行しているでしょうか?
「夜遅く帰ってきて歯磨きをせずに寝てしまうことがある」
「仕事が忙しくて何年か歯医者に行っていない・・・」
という方もいると思います。
歯磨きしたり歯科受診をする一番の目的は、虫歯を防ぎできるだけ長く自分の歯で食事できるようにすることですが、これが実は、口臭予防というエチケットにもつながっています。
口臭の9割は、口腔内の環境悪化・疾患によるものです。
なかでも患者数が多く強い口臭になりがちなのが「歯槽膿漏(しそうのうろう)」です。
歯槽膿漏はこうして進行し口臭を起こしていく
歯槽膿漏は歯周病とも呼ばれています。
歯磨きをしたときや食べ物をかじったときに、血が出ることがありますよね。
これは歯茎の一部が炎症を起こしている歯肉炎で、歯肉に腫れや出血が起こるため。
初期の段階であれば丁寧なブラッシングで治っていきますが、症状が進行すると歯槽骨や周辺組織が破壊されていき、最終的には歯が抜けてしまいます。
20代までの若い頃には、高い免疫力によって歯槽膿漏の進行速度はそれほど速くありませんが、
加齢とともに免疫力が低下することで、症状は早く進行し、重症化しやすくなります。
歯肉炎の炎症が周囲に広がると、歯肉に膿が溜まりはじめます。
歯と歯茎の間の溝・歯周ポケットが4mm以上になると、この膿がメチルメルカプタン(揮発性硫化物)と呼ばれる強い臭いを発生させるようになります。
これが歯槽膿漏による強い口臭のもとなのです。
虫歯ももちろん口臭を強めます。
歯に開いてしまった穴に食べ物のカスが詰まると、そこに細菌が繁殖して歯垢(プラーク)が溜まります。
この細菌の巣が、口臭の原因です。
さらに虫歯が進行し歯髄の神経組織がダメージを受けると、今度は口の中で腐敗臭が発生してしまうのです。
歯槽膿漏による口臭を予防しよう
まず口の中を見てみましょう。
見るからに歯茎が腫れていたり、歯茎を軽く押すだけで血が出る、
冷たい食べ物、飲み物が歯に沁みる、歯石がついている、
歯肉がピンクではなく赤黒い、歯肉に締まりがなくブヨブヨしている、
歯がぐらついているようであれば、歯槽膿漏が起こっている可能性が高いです。
早めに歯科で検診を受け、どれだけ症状が進んでいるかを確認し、必要な治療を受けてください。
そのとき正しい歯磨きの仕方を教えてもらいましょう。
歯ブラシだけでは落ちない汚れがあるので、歯間ブラシやデンタルフロスを利用することが大切ですが、初めてで使い方が分からない方は、歯科で教えてもらいます。
歯並びの影響で歯石が付きやすい場合には、半年ごとなど定期的に歯石除去をしてもらうことを習慣にします。
朝食・昼食・夕食後できれば30分以内に、そして就寝前にも忘れずに歯磨きをします。
昼食は出先でなかなか磨けないという方も多いかもしれませんが、できれば時間を見つけて洗面所で磨くようにすれば、午後の仕事でも口臭を気にせずに過ごせますよ。
睡眠中は1日の中でも特に口のなかが渇き、細菌が繁殖して虫歯や歯槽膿漏が悪化しやすい時間帯です。
したがって眠る前の歯磨きを忘れないことが肝心です。
歯槽膿漏予防を謳った歯磨き粉が販売されているので、使ってみるといいですね。
初期の歯肉炎に対しては柔らかい歯ブラシで歯茎をマッサージし、血行を促進させるのもおすすめ。
強くこするだけでは汚れは取れずに逆効果です。
歯ブラシは軽く当てて、細かく動かすようにします。