生臭い口臭はどのような原因で発生するのでしょうか
口臭がする人と話す時は、どうしても顔を背けがちになってしまいます。
そのうち、その人と話すこと自体が苦痛になってくることもあるでしょう。
このように、口臭は人とのコミュニケーションを妨げてしまうこともあります。
口臭には様々なニオイのものがあり、そのニオイによってある程度原因も分かってきます。
中には生臭いニオイの口臭を発している人もいます。
口から生臭いニオイがするのは嫌なものですね。
これはどのような原因で発生する口臭なのでしょうか。
原因を突き止めてしっかり対策を行い、人間関係を円滑にしましょう。
生理的口臭
生臭い口臭の原因として考えられるものとして、まず生理的口臭が挙げられます。
生理的口臭は口腔内の嫌気性菌が歯垢や舌苔などに含まれている含硫アミノ酸を分解し、腐敗することで発生する揮発性硫黄化合物が原因で起こります。
生臭いニオイは食品などが腐敗して発生するものなので、同じ腐敗反応の生理的口臭も生臭いニオイがするのです。
この口臭のニオイの元は食べもののカスや分子、口内の粘膜が剥がれたものなどです。
そして、この口臭は主に舌の表面にある舌苔から発生します。
このニオイの発生に大きく関係してくるのが唾液です。
唾液には、口内を洗浄し殺菌する働きがあり、口臭を防いでくれます。
唾液は一日に1.5~2ℓ分泌されていますが、一日中同じペースで分泌されているわけではありません。
そのため、唾液の分泌が少ない状況の時に生理的口臭が発生するのです。
唾液の分泌が少ない状況は、朝起きた時や緊張した時、空腹時などです。
生理的口臭を抑えるには
生臭いニオイを発する生理的口臭を抑えるには、まずニオイの元となる物質を減らすことが大切です。
食べカスや口内の粘膜が剥がれたものが溜まらないように、丁寧に歯磨きを行いましょう。
歯を磨くときにササッと1~2分ぐらいで終えてしまう人が多いと思いますが、10分ぐらいかけてしっかり歯を一本一本磨くようにしましょう。
また、舌苔にニオイの元が溜まらないように定期的に舌ブラシなどで舌苔を落としておくことも大切です。
さらに、口臭を抑えてくれる唾液をしっかり分泌できるようにしましょう。
それには、水分補給をしっかり行うことやガムなどを噛んで唾液腺を刺激することが効果的です。
また、唾液の質を良くすることも心がけましょう。
ネバネバした唾液は口臭の元となる細菌の温床になりやすいのです。
唾液の質は食事内容や体質によって決まるので、簡単に改善することはできませんが、野菜を多く摂るようにして体質を改善していきましょう。
魚臭症候群
魚臭症候群はトリメチルアミン尿症とも言われます。
魚臭症候群は魚に多く含まれるレシチンという脂質が腸によってトリメチルアミンというニオイ成分に分解され、これが血液に乗って全身を巡り呼吸や汗となって体外に排出されるため生臭いニオイがするのです。
魚臭症候群は遺伝的な一種の代謝異常の病気であり、本来人間が持っているトリメチルアミンを分解するフラビン含有モノオキシゲナーゼという酵素が欠損していたり活性が低かったりすることが原因で起こります。
魚臭症候群に対する根本的な治療方法は見つかっていませんが、トリメチルアミンの元になるコリン・カルニチン・レシチンを多く含む海産物や卵黄、乳製品、肉類などの摂取を控えることで症状を緩和することができます。
生臭い口臭が生理的口臭なら特に治療の必要はありません。
魚臭症候群の場合も治療方法は確立されていませんが、この場合口臭だけでなく体臭も生臭くなってしまいますから、それらを気にするあまり対人恐怖症になったり、家に引きこもったりといった精神的な病気にかかってしまうこともあり得ます。
ですから、食生活に注意して過度に気にし過ぎることのないようにしましょう。
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