体臭の種類によって病気が判明する?
体臭には甘いニオイの他にもいろいろな種類のニオイがあります。
そして、それぞれが異なる原因によって発生するのです。
どのような時にどんな体臭がするのかを知っておくことで自分の体調の変化を知ることも可能です。
体臭は、決して不潔にしているからとか年を取ったからというだけで起こるものではありません。
体臭は自分では気づきにくいけれども他人が指摘しづらいものでもあります。
しかし、自分の体臭を知ることはとても大切なことなのです。
無臭でいることを好む日本の社会の中では、体臭を恥ずかしいと思うのも仕方ありません。
しかし、体臭に対する対策を行うためにも自分の体臭を知らなくてはいけないのです。
まずは、どのような体臭があるのかを知っておきましょう。
酸っぱいニオイの体臭
汗をかくと酸っぱいニオイがする、という人もいると思います。
割と多くの人に見られる体臭ですが、これは貧血が原因の可能性もあるのです。
貧血になると血液を作るヘモグロビンが不足します。
血液には全身の細胞に酸素を運ぶ役割がありますが、その血液が足りなくなると細胞に十分な酸素が送られなくなってしまいます。
そうすると、血液は血液以外の場所から酸素を補おうとして、体内で予備のバッテリー的な役割をしている解糖系という部分を利用します。
この解糖系を使うと全身の細胞に酸素が供給される代わりに乳酸が発生してしまうのです。
体内に乳酸が発生するとそれにつられるようにアンモニアの量も増えてしまいます。
その乳酸とアンモニアが汗に含まれて体外に排出されるため、酸っぱいニオイがするのです。
酸っぱい体臭がする時は貧血になっていないか検査してみましょう。
カビが生えたようなニオイ
カビが生えたような体臭がする時は肝機能の低下を疑ってみましょう。
肝臓は体内で最も大きな内臓器官ですが、それだけたくさんの機能を持っています。
アルコールの分解や体内の老廃物・毒素の解毒、胆汁の分泌などです。
肝臓が健康な状態なら臭いの強いものを食べてもその臭い成分は肝臓で分解されて無臭になります。
しかし、肝臓の働きが弱っていると臭い成分が分解されずに消化器官を逆流して口臭となったり、血液中に溶け込んで毛穴から排出されて体臭となったりするのです。
肝機能の低下が原因で起こる体臭は、表題のようなカビ臭いニオイの他、どぶのようなニオイや硫黄のようなニオイ、アンモニアのニオイの場合もあります。
これらは自分でも気が付きやすいニオイなので、体臭として気になる以上のレベルで臭う場合は消化器科を受診してみるといいでしょう。
肉が腐ったようなニオイ
肉が腐ったようなニオイは、虫歯や歯周病、歯槽膿漏などの時に口臭として発することがあります。
この口臭がした場合は歯科を受診するべきですが、体からこのニオイがすることもあります。
このニオイには多くの原因が考えられます。
その一つが腸の疾患や便秘です。
腸の機能が低下すると食べ物は長い間腸の中にとどまります。
そうすると食べ物が腸の中で異常発酵し、肉の腐ったようなニオイがするのです。
また、皮膚細胞や粘膜細胞などの細胞が大きな損傷を受け、化膿したり炎症を起こしたりすると悪臭を放ちますし肺の疾患の場合もあります。
最悪の場合は癌細胞がそのニオイを放つことも考えられます。
肉の腐ったような体臭がしたらすぐに病院で診てもらいましょう。
体臭には他にも汗腺障害による強い汗臭やジフテリアによる甘いニオイ、腸チフスによる焼きたてのパンのようなニオイ、天然痘による腐敗臭、ペストによるリンゴのニオイ、精神的な病気によるホコリ臭などさまざまなものがあります。
もちろん全ての体臭が疾患を原因とするものではありませんが、念のため疑ってかかる必要もあるでしょう。