体臭が親から遺伝する場合もあります

体臭相談室

体臭は親から遺伝する?

私たちの人生において、病気や薄毛、才能など遺伝に影響を受ける部分というのは決して小さいものではありません。
それでは、体臭は遺伝するのでしょうか。
遺伝した体臭に関しては、改善することはできないのでしょうか。
また、体臭が遺伝するのであれば、その家族はみんなその体臭であり、自分も小さいころからその体臭なのでまさか自分の体が臭うとは気づかないのでしょうか。
体臭と遺伝の関係について考えてみましょう。

ワキガの遺伝

ワキガ遺伝

体臭の中でも特に気になるのがワキガです。
このワキガについては、かなりの確率で遺伝することが分かっています。
片親がワキガの場合は50%程度が、両親ともワキガの場合は80%遺伝すると言われています。
ワキガの原因はワキや耳の中、陰部などに集中して存在するアポクリン汗腺から分泌する汗です。
この汗をワキにある皮膚常在菌が分解してワキガが発生します。
ワキにはわき毛があるため汗が乾燥しにくく、菌が住みよい環境になっているためにワキガが発生しやすくなるのです。

このアポクリン汗腺の量は生まれつきほぼ決まっており、その量が遺伝で決定してしまうのです。
ワキガが遺伝する確率は前述したとおりかなり高い確率ですが、これはワキガが優性遺伝だからです。
ワキガの原因のアポクリン汗腺は思春期以降に成長します。
その頃からワキガが遺伝したかどうか判断できるようになります。
ただ、遺伝してしまった場合でも、親のどちらかがワキガで悩んでいたことがあるでしょうから、適切なアドバイスを送ってあげてほしいものです。

遺伝性疾患による体臭

魚臭症

病気が遺伝して体臭が発生してしまう場合もあります。
魚臭症というのがその病気です。
魚臭症の人は、生まれつきトリメチルアミン酸化酵素という酵素が欠落しています。
普通の人はこの酵素が生まれた時から体内に存在し、食事などにより体内に取り入れられたトリメチルアミン酸化酵素を分解することもできるのですが、魚臭症の人はこれを分解することができません
そのため体内にトリメチルアミン酸化酵素がどんどん蓄積されて血液中にも流れ込みます。
トリメチルアミンは魚の腐ったようなニオイがするため、魚臭症の人からもそのニオイがするのです。
また、体臭だけでなく口臭としても魚の腐ったようなニオイがすることもあります。

この病気には現在有効な治療法などがありません
ですから、体臭の原因を根本的に解決することができないのです。
オーラルケアや生活習慣などに気を付けて少しでもニオイを抑える工夫をするしかありません。

体臭に対する好悪の遺伝?

体臭気にしすぎ

現代の日本は、スメルハラスメントなどという言葉が出てくることもあり、社会的に無臭であることが良しとされています。
しかし、ヨーロッパ人の8割、黒人に至っては100%の人がワキガであると言われています。
日本人のワキガの人はおよそ1割程度と言われています。
少ないから余計気になるのかもしれませんが、少し気にし過ぎかもしれません。
また、日本人も全ての体臭が嫌いだというわけではありません。
ある研究結果によると、女性が好ましいと感じる体臭は、自分の父親のものに近似しているというデータがあり、さらに母親に似た体臭の持ち主には好き嫌いを感じにくいのだそうです。
つまり、女性は小さなころから慣れ親しんでいる家族の臭いに近い男性を好きになる傾向があると言えそうです。

遺伝による体臭は解決が難しいものです。
しかし、ワキガに関しては手術などの治療法がありますし、根本的な解決ができなくても体臭を軽減することは可能です。
しかし、誰しも体臭と言うものは少なからずあるものです。
その体臭を好きになる人もいるかもしれません。
あまり神経質になると余計に体臭がきつくなる場合もあります。
気にし過ぎることなく体臭を改善していきましょう。

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