運動不足の人は体臭もきつくなる?
運動不足と体臭に関連性があることをご存知でしょうか。
確かに、運動不足でぶよぶよした体の人は、いつも汗をかいていて汗臭そうなイメージがあります。
それに引き換え、いつも運動をしている人が汗をかいても、さわやかなイメージこそあれ汗臭そうとはあまり思わないのではないでしょうか。
これは、作られたイメージだけのことでしょうか。
もちろん、多少の誇張はあるでしょうし、みんながみんなそうとも言い切れません。
しかし、運動不足の人は体臭がきついという科学的な理由もあるのです。
反対に言うと、運動をすることで体臭を改善することができるかもしれません。
運動不足と体臭の関係を調べてみましょう。
運動不足の人は汗が臭い
日ごろから運動を行っている人は、汗をよくかきます。
そんな人は汗腺の導管部というところで汗の原料の成分が再吸収されるため、汗の成分が水に近いサラサラした汗をかきます。
この汗にはアルカリ成分の重炭酸イオンが少ないため、ph値は酸性となります。
酸性の汗は雑菌の繁殖を防ぐのでニオイがしにくいのです。
これに対して、運動不足の人はまず血行が悪くなります。
すると、汗腺への酸素供給が上手くいかないので汗腺が働くためのエネルギーを取り込むために解糖系というところを利用します。
そこを利用すると、副産物として乳酸という疲労物質が大量に産生されます。
この乳酸が汗腺の中にアンモニアの分泌を増加させるため、汗臭さが強くなります。
また、この汗はアルカリ性なので雑菌も繁殖しやすく、余計に体臭がきつくなるのです。
筋肉の衰えと体臭
しっかり運動をしていると筋肉も常に緊張しているので、衰えることはありません。
しかし、運動不足の人は筋肉をあまり使うことがないので、筋肉も運動不足の状態に慣れてしまい衰えてしまっています。
そのような時に突然何かの運動をして筋肉を使うと、筋肉の中に疲労物質である乳酸が大量に作られてしまいます。
後は汗の場合と同じように、乳酸がアンモニアの分泌を促し、両者が一緒に汗の中に排出されることでアンモニアによる体臭が生まれます。
運動不足の人はこういった理由で体臭がきつくなりやすいのです。
運動不足の人の体臭を改善するには
運動不足の人が体臭を改善しようと思うなら、やはり運動をするしかありません。
それも、闇雲に行えばいいというものではありません。
最も理想的なのはウォーキングなどの有酸素運動です。
有酸素運動を行うと汗の成分がアルカリ性から酸性に変わってくるので、雑菌の繁殖が抑えられ、体臭が軽減されます。
さらに代謝も上がるので体内に老廃物が溜まらなくなることも体臭予防に効果的です。
それでは、なぜ有酸素運動が効果的なのでしょうか。
有酸素運動に対する無酸素運動には重量挙げや短距離走などがありますが、これらは運動時に酸素が肺にあまり届きません。
すると、血行が悪い時と同様に解糖系を使ってエネルギーを得ようとするため、疲労物質の乳酸が増加、汗腺の中にアンモニアが分泌されるということが行われるからです。
さらに有酸素運動には体臭の原因となる遊離脂肪酸を減少させる効果もあります。
ただ、これはダイエットで脂肪を減らすのと同じことで、有酸素運動を20分以上続ける必要があります。
運動不足の人の体臭が強い理由が分かりましたね。
運動不足の人は汗腺が衰えます。
特に下半身や腕、足の汗は減ってしまいます。
そのため何かあると顔に汗をかきやすくなります。
顔汗が多い人は、今はまだ大丈夫でもそのうち体臭に悩むことになるかもしれませんよ。
運動不足だけど運動をする根性や時間がないという人は、半身浴などで汗腺を鍛えることも体臭改善に効果があります。
食事も肉ばかり食べないように気を付けましょう。
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