20代、30代前半の方の加齢臭の本当の原因
スメルハラスメントと言う言葉も生まれるほど、ニオイに対する意識が高まってくると、自分のニオイにも敏感になります。
私達が運営する加齢臭相談室には、累計1万人以上の方からのご相談を頂きました。
そのほとんどは、中高年の方からのご相談なのですが、一部のご相談は20代～30代前半の方から寄せられたものでした。
20代や30代前半の方でも加齢臭を気にする人が増えているようなのです。
加齢臭は本来40歳を過ぎた頃から発生するものですが、そんな若い人も無縁ではなくなってきているのです。
本当にそんなに若い人にも加齢臭がするのでしょうか。
自分のニオイに気を付けることは、早めに体臭の対策を行うことができるという点からも悪いことではありません。
しかし、20代や30代前半で加齢臭を気にする人の場合は単なる思い込みであることも多いのです。
周囲の人が顔をしかめたり鼻をつまんだりすると、自分の体臭が原因に違いないと思い込んでしまうのです。
これは、真面目で繊細な人や几帳面な人によく見られる自臭症という精神疾患の一つです。
対人関係からくるストレスによって起こると言われています。
周囲の人の評価を気にしたり、汗や臭いを極端に嫌う潔癖症だったりすると自臭症になりやすい傾向があります。
そうは言っても本当に臭うのだ、と思うかもしれませんが、思い込みの力で自分の鼻を誤解させているということもあるのです。
自臭症の治療方法
自臭症の人は自分が臭いと思い込んでいるので、自分が自臭症だと思うことはないでしょう。
しかし、自分が臭いと思い込むストレスによって本当に体臭が発生することもあり得ます。
そのため、早めの治療が必要なのです。
体臭があろうとなかろうと、気になる場合は本当に臭いが存在するかどうかを確かめる必要があります。
そこで、体臭外来を受診することをおすすめします。
そこで、体臭がないと診断されたのに気になる場合は、心療内科的な治療が必要になります。
自臭症の治療には、薬物療法と心理療法があります。
自分のニオイが気になって落ち込んでしまうような人は抗うつ剤による治療が有効です。
また、においを抑えるために何度も体を洗ったり下着をすぐに取り替えたりするといった行動が顕著になる場合は、脳内神経伝達物質のセロトニンを調整する働きのあるSSRIという薬を使うこともあります。
自臭症の症状が進行すると、人前に出ることが怖くなって家に引きこもってしまうこともあります。
自分の体臭について悩んだ時は、自臭症の可能性も考えてみましょう。
また、周囲の人にそのような疑いのある人がいれば、精神科の受診を促してあげるようにしましょう。
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油臭いニオイはミドル脂臭かも
20代から30代前半ぐらいになると体臭の変化を感じることがあります。
加齢臭と言う言葉が一般的に広まった今、これを加齢臭だと思い込む人がたくさんいます。
しかし、この年代には汗臭さや加齢臭とは違う別のニオイが発生することが発見されました。
これをミドル脂臭と言います。
これは2013年11月に男性化粧品で有名なマンダムが発表したもので、後頭部付近から脂臭い汗のニオイがするというものです。
ミドル脂臭の原因物質はジアセチルというものです。
ジアセチルは35歳ぐらいから多く発生しますが、食生活などの影響によって20代から発生する人もいます。
このニオイは口臭の1.4倍、足のニオイの1.5倍臭いやすいのですが、ニオイが発生するのが後頭部や首の後ろといった鼻より後ろの部分なので、自分では気づきにくいという特徴があります。
また、このニオイは男性よりも女性の方が不快に感じることが多いようです。
ジアセチルからくるミドル脂臭は古い油のようなニオイで、加齢臭に似ていますが加齢臭の原因のノネナールよりも100倍も広がりやすく加齢臭より深刻だと言われています。
また、ジアセチルが皮脂と共存するとさらにニオイが強くなります。
ミドル脂臭を防ぐには
ミドル脂臭の原因物質のジアセチルは、ブドウ球菌が汗の中に含まれている乳酸を分解して産生されます。
この分解を抑制する新しいデオドラントの研究も行われていますが、自分でもミドル脂臭を抑える対策を行うことができます。
ミドル脂臭を抑えるには、まず生活習慣を改善して原因物質が産生されないようにすることが大切です。
それには、喫煙を控える、アルコールの過剰摂取をやめる、バランスのとれた食事を摂取する、適度な運動を行うといった方法があります。
他の体臭への対策と同じですね。
また、ミドル脂臭を軽減するためには、丁寧な洗髪や入浴も効果的です。
ミドル脂臭の原因の皮脂は落としにくいため、頭は2度洗いすることがおすすめです。
ミドル脂臭対策のシャンプーも発売されているので、それを利用することも効果的です。
洗髪時は特に頭頂部から後頭部は念入りにマッサージしながら時間をかけて洗いましょう。
シャンプーが残らないようにしっかりすすぐことも大切です。
体を洗う時は石鹸やボディーソープをしっかり泡立ててから使いましょう。
襟足から首筋を念入りに洗うことでミドル脂臭が軽減できます。
ミドル脂臭用のボディーソープを使うことも効果的です。
女性の加齢臭は低年齢化している？
加齢臭は40歳を過ぎた頃から顕著になってきますが、生活習慣の乱れやストレスなどの原因で20代や30代前半でも加齢臭がする人が増えています。
特に女性で加齢臭がする人が多くなっているのです。
本来、女性の加齢臭が発生するのは男性よりも遅く、50歳以降の閉経を迎えた後のことが多いのです。
これは、女性ホルモンに皮脂の分泌を抑える働きがあるためです。
しかし、最近では若い女性でもストレスなどの影響で女性ホルモンの分泌が低下している人が増えています。
女性ホルモンの分泌が低下すると発汗量や皮脂の分泌量が増加するため、加齢臭の原因であるノネナールが発生してしまうのです。
加齢臭は皮脂腺の多い耳の後ろや首回り、胸元やワキ、背中などから発生することが多いのですが、特に女性の場合は頭皮からの加齢臭が強くなります。
さらに、スタイリング剤を使うと頭皮の皮脂が酸化しやすくなり、加齢臭の原因となってしまいます。
加齢臭が気になる時は指の腹を使って頭皮をマッサージするようにしっかり洗うようにしましょう。
また、耳の後ろなどの皮脂腺が多い場所も念入りに洗いましょう。
ストレスの軽減や食生活の改善など生活習慣を見直すことも大切です。
生活習慣を見直す
「生活習慣を見直し、加齢臭対策をする」とは、具体的にどういった事を実践すれば良いのでしょうか？
加齢臭の原因は、加齢に伴って皮脂の中に9-ヘキサデセン酸という物質が増え、その9-ヘキサデセン酸と皮脂腺の中の脂質が活性酸素によって酸化された過酸化脂質が反応して発生するノネナールという物質です。
皮脂の分泌を抑え、脂質の酸化を抑える事が加齢臭対策として大変効果があります。
・有酸素運動
運動不足も、加齢臭の要因の１つです。
特に有酸素運動は体の中の酸化をブロックしますので、おすすめです。
・食生活の見直し
肉類やアルコールなどは控えましょう。
ビタミンＣやビタミンＥが多く含まれている野菜の摂取で酸化を抑えることができます。
・サプリメントの活用
アスタキサンチンやコエンザイムQ10などの強力な抗酸化作用を持つ栄養素を簡単に摂取することができます。
運動する時間の捻出や、食生活の見直しが難しい方におすすめです。
生活習慣を見直すことが加齢臭対策に繋がることがご理解いただけたでしょうか？
加齢臭対策は、加齢臭が抑えられるだけでなく、健康的な身体作りにも繋がりますので、是非実践してみてくださいね。
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この記事のまとめ
・加齢臭は、主に40歳を過ぎた頃から発生します。
・20代や30代前半で加齢臭を気にする人の場合は単なる思い込みであることも多く、自臭症かもしれません。
・自臭症の治療には、薬物療法と心理療法があります。
・他には、ミドル脂臭の可能性もあります。
・ミドル脂臭を防ぐには、生活習慣を改善しましょう。
・ミドル脂臭を軽減するためには、丁寧な洗髪や入浴も効果的です。
・女性でも、加齢臭がする人が増えています。
・加齢臭は男性のものと思いがちですが、女性も加齢臭対策を行いましょう。
・加齢臭を抑えるためには、有酸素運動、食生活の見直し、サプリメントの活用などを実践しましょう。
・加齢臭対策は、健康的な体作りにも繋がります。
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