体を洗っても、洗っても加齢臭が発生します！
加齢臭が気になる人は、肌を清潔にしてニオイを発生させないようにするために体をゴシゴシこすって洗いがちです。
しかし、いくら体を洗っても加齢臭が落ちないと悩んでいる人もいるでしょう。
体を洗っても加齢臭がなくならないのは当たり前です。
なぜなら、体を洗っても加齢臭の原因がなくならないからです。
加齢臭の原因は、加齢に伴って皮脂の中に9-ヘキサデセン酸という物質が増え、その9-ヘキサデセン酸と皮脂腺の中の脂質が活性酸素によって酸化された過酸化脂質が反応して発生するノネナールという物質です。
だから、加齢臭は酸化した油のようなニオイがするのです。
加齢臭を根本から治したいのなら、ノネナールが発生しないようにしなくてはいけません。
9-ヘキサデセン酸が増加する原因は分かっていないのでどうしようもありませんが、過酸化脂質を増やさないようにすることは可能です。
それは、抗酸化力を高めて活性酸素を減らすことです。
抗酸化力を高めるには、有酸素運動や禁煙、食生活の改善などが有効です。
もちろん、入浴には加齢臭を抑える効果があります。
不潔にしているともっと加齢臭がひどくなります。
ただ、正しい洗い方でないと逆効果になります。
体を洗い過ぎると逆効果になる理由
加齢臭の原因であるノネナールは、非常に身体にこびりつきやすく水に溶けにくいという性質を持っています。
そう聞くとより一層体をゴシゴシと強くこすりたくなりますが、そのような洗い方は効果的ではありません。
それどころか、加齢臭をより強くしてしまうこともあるのです。
私たちの皮膚には、皮膚常在菌という菌がたくさん存在しています。
これらには通常は、病原性微生物の繁殖を抑えたり、皮脂膜を形成して皮膚表面を弱酸性に保ったりする働きがあります。
これは、善玉菌が優勢な状態です。
しかし、これらの皮膚常在菌の善玉菌は体をゴシゴシとこすって洗うと洗い流されてしまいます。
そして、バランスが崩れて悪玉菌が増えてしまいます。
悪玉菌は肌トラブルの原因にもなりますが、悪臭を放つ原因にもなるのです。
さらに、皮脂を洗い流し過ぎることも加齢臭の原因になります。
皮膚常在菌が作り出す皮脂は、潤いを保ち、肌を守る役割があるので、必要なものです。
しかし、これを洗い流し過ぎると、皮膚は足りなくなった分を補うために一生懸命皮脂を分泌するようになります。
そうすると、皮脂の中に含まれる9-ヘキサデセン酸も増えるため加齢臭がしやすくなるのです。
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皮膚常在菌について
皮膚常在菌はその名のとおり、皮膚に常に住み付いている細菌のことです。
表皮ブドウ球菌やアクネ菌、マラセチア菌、黄色ブドウ球菌、真菌などがありこれらの菌はおよそ1兆個生息していると言われています。
これらの菌には、肌を守ってくれて良い働きをする善玉菌と、加齢臭の原因ともなる悪玉菌がいます。
表皮ブドウ球菌は、皮脂や汗を食べて良い香りの脂肪酸を作ります。
また、皮脂膜を作って潤いを保ち、肌を守る働きもあります。
しかし、体を洗い過ぎたり体調不良だったりすると黄色ブドウ球菌や真菌といった悪玉菌が増えてきて、悪臭を発するアンモニアやアルデヒド、脂肪酸などを作り出し加齢臭がするようになります。
一般的に善玉菌は弱酸性を好み、悪玉菌はアルカリ性を好みます。
善玉菌の中にも、状況によっては人間にとって良くない働きをするものもあります。
例えばアクネ菌はニキビの原因として有名ですが、普段は皮膚を守ってくれるとても大切な菌です。
しかし、皮脂が過剰に分泌されると異常繁殖をして皮膚が炎症を起こすためニキビとなるのです。
加齢臭を抑えるには、善玉菌が優勢な状態にしなくてはいけませんが体を洗い過ぎるとそれを洗い流してしまいます。
加齢臭を抑えるための正しい体の洗い方
前述しましたが、体をゴシゴシこする洗い方はNGです。
皮膚表面の善玉菌や皮脂を洗い流さないように、もっと優しく洗ってあげなくてはいけません。
その方法は、まず泡立てネットなどを使って石鹸を泡立てます。
きめの細かい泡ができるまで、しっかり泡立てましょう。
その泡を手に取って全身を手で撫でるようにして泡をつけて洗います。
いつもゴシゴシこすっていた人からすれば、そんな洗い方で本当に汚れが落ちるのか不安になると思いますが、きめの細かい泡が毛穴の中にまで浸透して、きれいに汚れを落としてくれます。
この時、加齢臭の発生しやすい場所、首筋や耳の後ろ、胸、ワキなどはタオルなどを使って軽く洗うといいでしょう。
あくまで軽くですが、そうすると汚れも悪玉菌も落とすことができます。
ただし、足の裏はしっかりと洗うようにしましょう。
足の裏は蒸れると水虫になったりニオイが発生したりすることがあります。
足の裏、足の指の間、爪などはしっかりブラシやナイロンタオルで洗い、余分な角質を残さないようにしましょう。
また、足の親指の爪の両ワキは汚れが溜まりやすいので、手の爪を使ってかき出すようにして洗うといいでしょう。
正しい頭の洗い方
頭皮は皮脂の分泌が非常に多い部分です。
皮脂が多いということは加齢臭も発生しやすいということです。
だから、頭もきれいに洗わなくては加齢臭を抑えることはできません。
まず、頭は体を洗う前に洗うようにしましょう。
そうしないと、頭を洗った時のシャンプーやリンスが体に流れてきて付着してしまいます。
それが残ったままだと余計に体臭がきつくなったり、肌トラブルが起こったりするのです。
頭を洗う時にはまずお湯で頭を流します。
毛髪についている汚れはこれでほとんど落ちます。
整髪料をつけている人などは特に念入りに流してください。
これはシャンプーの使用量を減らして頭皮への刺激をやわらげるためです。
頭皮への刺激が強すぎたり、洗い過ぎで皮脂が減ったりしてしまうと、頭皮も他の皮膚と同じように皮脂をたくさん分泌させるようになってしまうのです。
シャンプーを使用する時も、手で良く泡立ててから使います。
それから頭皮を泡でマッサージするように塗っていきます。
頭皮の皮脂や汚れ、汗、そしてノネナールをしっかり落とさないと加齢臭が落とせませんが、爪を立てるような洗い方をしてはいけません。
一日に何回も洗うのも皮脂を流し過ぎるのでNGです。
抗酸化力を高めるためには
冒頭で、軽くご説明いたしましたが、体の正しい洗い方を実践しても、加齢臭の原因はなくなりません。
抗酸化力を高めて活性酸素を減らすことによって加齢臭は抑えられます。
そのためにはどうすればよいのでしょうか。
・有酸素運動
30分以上継続して続ける運動のことを有酸素運動といいます。
有酸素運動を行うと、活性酸素の発生を抑えることができます。
酸化自体をブロックできますので、ストレスのかからない範囲で運動を楽しみましょう。
・食生活の見直し
皮脂の分泌を抑えるため、動物性脂肪分の摂取を減らしましょう。
肉ならば脂身を避け、赤身を多く食べるようにしましょう。
ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用がある栄養素を含む食品を多く食べると、抗酸化力を高めることができます。
・サプリメントの活用
強い抗酸化力のあるコエンザイムQ10やアスタキサンチンなどのサプリメントを摂取しましょう。
水で飲むだけなので簡単ですし、コンスタントに抗酸化作用のある栄養素を摂取できます。
加齢臭に外面ケアは大切です。
外面ケアを行わないと、ずっと加齢臭を漂わせていることになり、周りの人にも迷惑をかけてしまいますよね。
しかし、内面ケアを行わないと、加齢臭をなくすことはできません。
外面ケアで一時的にでも加齢臭を抑えながら内面ケアを行い、根本的に加齢臭を発生させないようにしましょう。
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この記事のまとめ
・加齢臭の原因はノネナールという物質です。
・ノネナールは非常に身体にこびりつきやすく水に溶けにくいというやっかいな性質を持っています。
・体を洗う際は、ゴシゴシと強く洗わずに、石鹸をよく泡立て、優しく全身を手で撫でるようにして洗いましょう。
・体を洗いすぎると、逆に皮脂の分泌を増加させてしまうので、適度に洗いましょう。
・頭を洗う際は、まず最初にお湯でしっかり汚れを落とし、シャンプーを泡立ててから洗いましょう。
・しかし、体の正しい洗い方を実践しても、加齢臭の原因はなくなりません。
・加齢臭を根本的に解決するには抗酸化力を高め、活性酸素を減らしましょう。
・抗酸化力を高めるには、有酸素運動や食生活の見直し、サプリメントの活用などが有効です。
・外面ケアと内面ケアの両方から加齢臭を撃退しましょう。
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